ザリガニの米国株と資産運用の日記

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学生納付特例制度を利用した後に国民年金保険料を追納する?しない?|考え方をまとめてみた話

こんにちは、ザリガニです。

前回の記事で、私は学生時代の年金保険料の追納を行わない(学生納付特例制度によって支払いを猶予してもらっていた年金保険料の後払いをしない)ことを書きました。

 

これはあくまでも私の実際のケースで試算を行い、判断したものです。

それぞれ皆さんの背景は違いますから、学生納付特例制度を利用した後、追納をするかしないを判断するために、

  • どんな情報を集めればよいのか?
  • どのように計算・考えればよいのか?

についてをまとめました。

 

それでは、どうぞ。


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どんな情報が必要?

  • 学生納付特例の期間および未納期間
    • 日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」や「国民年金保険料追納のご案内」があると便利
  • 所得に関する情報(給与支給額や所得控除)
    • 前年の源泉徴収票があると便利
  • 自分の年齢・生年月日
  • 資産運用を開始する年齢(運用期間)

 

試算の前提

試算をするにあたって、いくつか前提を置きます。

これも個人の考え方で変更してOKです。以降の試算で使う数字となります。

  • 60歳まで保険料を払い続けること
  • 65歳から年金の支給を受けること
  • 現行の年金保険制度が将来も続くこと
  • 運用を行うときは、常に一定の利回りを想定する

 

試算を行う

学生納付特例の期間および未納期間は?

まずは学生納付特例の期間および未納期間を調べましょう。

この情報については、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」を参考にするのがよいでしょう。これまでの年金加入期間や未納期間が分かります。

他にも、学生納付特例制度を申請してから9年目ごろに「国民年金保険料追納のご案内」というはがきも届きます。30歳前くらいで届く人が多いと思います。

追納ができるのは、過去10年の間に猶予されていた学生納付特例期間が対象となります。10年以上前の保険料は支払えない点は注意してください。

 

年金の受給額を計算する

20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた人は、65歳から満額の老齢基礎年金が支給されます。

この480ヵ月間(=40年×12ヶ月)の全期間で保険料を納めると、65歳から年額779,300円(満額、平成30年時)の年金を受け取ることができます。

学生納付特例の期間中や未納期間があった場合、その未納期間分は年金額計算の対象から外れます。

  • 計算式:(年金の加入期間/480ヵ月)× 779,300円

たとえば未納期間(学生納付特例の期間を含む)が20ヶ月で、60歳まで保険料の納付をした場合、年金の受給額は以下のように計算できます。

  • (480ヵ月ー20ヵ月)/ 480ヵ月 × 779,300円=746,829円

 

追納する場合の額を計算する

学生納付特例制度を利用して保険料の支払いを猶予してもらっていた場合、過去10年にさかのぼって追納を行うことができます。追納によって将来の年金受給額を満額に近づけるということですね。

追納をする場合、1ヶ月分でおよそ1.5~1.6万円を納付する必要があります。(年度によって若干の変動はあります。日本年金機構のサイトに参考額が記載されています。)

計算を簡単にするために1ヶ月あたり1.5万円とすると、

  • 追納の総額=(学生納付特例の期間)×1.5万

で計算できます。学生納付特例の期間が20ヵ月だった場合は30万円となります。

 

追納による税金軽減額を求める

追納を行った場合、その金額が社会保険料控除の対象となります。その結果、追納をしない場合と比較して所得税と住民税は少なくなります。

 

所得税・住民税の計算は、こちらのサイトで行うことができます。

 

前年の源泉徴収票の情報をもっていると簡単に計算できます。

  1. まず、前年の源泉徴収票の情報に基づいて所得税と住民税を計算する。
  2. 次に、追納額分を社会保険料控除の額に加えて再度所得税と住民税を計算する。
  3. 上記1と2の所得税と住民税の差額を求める。この差額が税金の軽減額になります。

なお、上記のサイトではふるさと納税の額も考慮して計算ができます。

 

実質の追納額を求める

上記の項で、追納額と追納による税金軽減額を求めました。ここから実質の追納額を計算します。追納額が30万、所得税・住民税の軽減額が計5万円だった場合、実質の追納額は25万となります。

以下、追納額という言葉は、「年金機構に支払う追納額」から「所得税と住民税の軽減額」を差し引いた「実質の追納額」として話を進めていきます。

 

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追納をするケース

「満額の年金額」と「追納を行わなかった場合の年金額」の差額を求めます。

例を以下に示します。

  • 満額の年金額:779,300円
  • 未納期間が20ヶ月の場合の年金額:(480ヵ月ー20ヵ月)/ 480ヵ月 × 779,300円=746,829円
  • 差額:779,300円ー746,829円=約32,500円

 

20ヵ月の未納期間があると、満額と比較して約32,500円少ない年金が支給されます。

65歳以降から年金の支給が開始されます。年を経るごとに累積の支給額の差は広がっていきます。10年後なら累積で32.5万円、20年後なら65万円の差となってきます。

 

追納額が25万円だった場合、受給開始後8年間(3.25万円×8年=26万円)年金を受け取ればモトが取れる計算となります。73歳のタイミングですね。

 

追納をしない場合の計算

今度は追納をしない場合を考えます。

追納をしない場合は、自分で運用を行って資産を増やす必要があります。その資産をどれだけの期間・利回りで運用できたら「追納をしたケース」より有利になるかを計算します。

 

「追納をするケース」の試算例で、1年あたりの年金受給額の差は約32,500円と算出されました。

まずは、下記表1のように各年齢まで年金を受給したときの年金受給額のトータルの差を求めます。

(表1)

トータルの
年金受給額の差
(①)
計算式
(1年あたりの支給額の差×年数)
満70歳時 16.25万 =32,500円×5年
満75歳時 32.5万 =32,500円×10年
満80歳時 48.75万 =32,500円×15年
満85歳時 65万 =32,500円×20年
満90歳時 81.25万 =32,500円×25年
満95歳時 97.5万 =32,500円×30年

 

以下の表2は、30歳の人が25万円(追納予定額)を年利2%で運用した場合に、表1の①の金額に達するまでの必要年数を計算したものです。

必要になるのは次の情報です。

  • 運用予定期間(運用を開始する年齢)
  • 追納予定額(運用開始額)
  • 年間の利回り

(表2)

トータルの
年金受給額の差(表1の①)
30歳で運用を25万円から開始し、
年利2%で①の額を達成するのに必要な年数と年齢
結論
満70歳時 16.25万 運用開始時点で既に16.25万より多い 追納しない方がよい
満75歳時 32.5万 13.25年(44歳の時) 追納しない方がよい
満80歳時 48.75万 33.72年(64歳の時) 追納しない方がよい
満85歳時 65万 48.25年(79歳の時) 追納しない方がよい
満90歳時 81.25万 59.52年(90歳の時) どちらでもよい(トントン)
満95歳時 97.5万 68.73年(99歳の時) 追納したほうがよい

 

この試算にはKeisanのサイトを使うと簡単です。

年利に利回り、元金に追納額、元利合計に表1の①の値を入れて計算してください。複利周期を1年で選択すれば、表面金利と実質金利いずれを選択しても結果は同じとなります。

 

上記の表2では、利回り2%で計算した結果です。

その他、1%~4%など自分の想定する利回りで複数パターン計算してみましょう。そうすると、以下のような表を作ることができます。

年齢 XX歳で運用をYY万円から開始し、
年利Z%で表1-①の額を達成するのに必要な年数と年齢
1% 2% 2.5% 3% 4%
満70歳 しない方が有利 しない方が有利 しない方が有利 しない方が有利 しない方が有利
満75歳 した方が有利 しない方が有利 しない方が有利 しない方が有利 しない方が有利
満80歳 した方が有利 トントン しない方が有利 しない方が有利 しない方が有利
満85歳 した方が有利 した方が有利 しない方が有利 しない方が有利 しない方が有利
満90歳 した方が有利 した方が有利 トントン しない方が有利 しない方が有利

 

これで追納したほうが有利なのか、利回り●●%で何歳まで運用すれば追納しないほうが有利なのか、一目瞭然で判断できますね。

 

なお、複利に対する税金の影響をより正確に反映したい場合はKeisanのサイトの別のページを使うとよいです。複利毎の課税を考慮して試算できます。

 

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その他考慮すべき事項:遺族年金・障害年金

年金の支給額の違いだけでなく、その他考慮すべき点です。

学生納付特例制度の期間中は老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の受給要件の期間に通算されます。

  • 受給資格期間
    • 学生納付特例期間中は老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の受給資格期間に算入される
      例えば、学生納付特例の期間が20~22歳の2年間あり、その後就職して保険料を納付し始めた場合、納付後8年で計10年となり、老年基礎年金を受け取れるようになる。
    • 未納の場合、いずれの受給資格の期間にもカウントされない。

一方で、年金額は学生納付期間中も未納も扱いは同じです。

  •  年金額の計算
    • 学生納付特例の猶予期間中も未納の場合も、年金額の計算には反映されない。

引用元:産経ニュース:【ゆうゆうLife】年金「学生納付特例」 追納した方が得? 計算してみると…(2018.3.22)

 

本記事では受給資格期間の詳細には触れませんが、単純な未納と学生納付特例制度の違いを知っておくことは大事だと思います。詳細は日本年金機構のサイトを参照ください。

 

終わりに

今回は学生納付特例制度を利用した人が、その後追納を行うべきかどうかについての考え方を紹介ました。

年金や税金といった計算は本当に人それぞれです。

  • 浪人・留年などをしたか?
  • 大学で卒業したか、修士や博士課程まで進学したか?
  • 学生納付特例制度を利用した期間、これまでの保険料の未納期間は?
  • 誕生月はいつか。4月か?3月か?
  • 追納を行う際の所得はいくらか?
  • 所得控除に該当するものとその金額は?(扶養控除や社会保険料控除、生命保険料控除など)

今回の考え方は簡単なケースで紹介しましたが、年金の繰り上げや繰り下げ受給、保険料の支払期間などによっても変動します。アーリーリタイヤなどを検討している人はその計画なども反映させる必要があるでしょう。

もちろんこの試算は常に一定の利回りを想定していますから、運用期間中に暴落など大きな利回りの変動が生じると異なった結果となります。

それぞれの人のストーリーに応じて、個々人の運用経験やリスク許容度に基づき、実際に追納をすべきかどうかを判断していくことになります。

 

本記事がそのお役に立てればうれしいです。

それでは、また。

 

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関連記事です。

私自身は「追納をしない」という判断を下しました。

 

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自己紹介


こんにちは!ザリガニです。
30代前半独身男性。東京で外資系化学系メーカーのサラリーマン(研究開発職)をしています。
主に投資・家計・資産運用に関する記事を紹介します。ときどき運動や英語の勉強なども書く雑記ブログです。
趣味は運動と旅行。山登りと筋トレ、ランニングなど。犬と猫も好き。
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